ホイットモア大統領

デビルジャンクのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

デビルジャンク(1989年製作の映画)
3.7
※どうでも情報多めで長文です

“La Casa” を巡って②

本作のタイトルに関する逸話が本編より面白かったのでご紹介。

『ガバリン2』のレビューの通り、同作の公開当時のイタリア題は、“La Casa di Helen” だったが、本作が「6」をすっ飛ばして “La Casa 7” として公開されたため、『ガバリン2』も途中から “La Casa 6” と呼ばれるようになったらしい笑
さらに、本作がイタリアでDVD化された際、まさかの “La Casa 3” としてリリース(別作品で「3」はすでに存在笑)されてしまったので、事態はさらにややこしくなるのであった…笑

一方本国アメリカでは、本作は “House” シリーズの3作目として製作されるもの、「“House” ぽくなくね?」ということで、“The Horror Show” のタイトルで公開。
にも関わらず、それ以外の国では “House Ⅲ” として公開されてしまう笑
結果、日本でも「ぽくなくね?」と感じたのか、アメリカからの指示があったのかはわからないけど、「ガバリン」ではなく『デビルジャンク』と名乗ったのだと思われる。

しかし、今度は日本で問題が発生。
“House” シリーズの4作目、しかも1作目の正当な続編が公開された際、何と本作がナンバリング・タイトルではないため、『ガバリン3』として公開してしまった!
今や本作は、世界的にも “House Ⅲ” として認知されているので、もはやワケワカメに笑

…皆ついて来れたかな?
これ、テストに出るから覚えるように!


さて、レビュー笑

幼女すら躊躇なく手にかける最凶殺人鬼マックス・ジェンキ vs. 執念の末に彼を逮捕したルーカス・マッカーシー刑事の第二ラウンド。

冒頭、ルーカス刑事がジェンキの逃走経路で遭遇する、油で揚げられた手や頭、ミンチ機から飛び出した脚、両腕を切断され吊るされた相棒…が、ジェンキの異常さと悪夢の迷宮に足を踏み込みんだ印象を我々に強烈に叩きつける。

続く電気椅子によるジェンキの死刑執行シーンも、血管が盛り上がり、画面越しに匂いが漂ってきそうなほど焼け爛れる演出・特殊効果に目が釘付けに…この一連の流れが最高に良くて、例え『ガバリン』シリーズを期待しててものめり込めること間違いなし!

特に電気ショックを受けたジェンキの、迫真の耐え顔と「チ◯コがビンビンだぜ!」は、マジで『007/カジノ・ロワイヤル』のクレイグ並みに名演技・名シーンだと思う。

対するルーカス刑事演じるランス・ヘンリクセンも、なぜか身体がバキバキに仕上がっている全開戦闘モードで、否が応でも期待が高まる。

ただ中盤のジェンキさんは、その顔と身体に似合わず、ルーカス刑事(とその家族)の精神面をじわじわと焦らすだけで少し退屈。
でも、娘のサービスシーン、からのジェンキさんのあの悪夢トラップは、変態度が高くて親父にはダメージでかかったと思うな笑

肝心のクライマックスは、それまでのタメを一気に放出するかの如く、互いに文字通りの(そしてまさかの物理的)死闘を繰り広げてくれるので大満足!
巻き込まれ参戦する奥さんの、「そこはダメーッ!」てところに思いっきり電気ショックするシーンは死ぬほど笑った!!!笑


以下、購入したBlu-rayの特典映像情報。

本作は前2作同様、『13金』の生みの親であるショーン・S・カニンガムがプロデューサーだけど、同年公開の『ショッカー』と設定が酷似しており、過去同じ釜の飯を食った監督のウェス・クレイヴンと揉めたとか。

でも、『13金』は『ハロウィン』、監督作『ザ・デプス』も『アビス』に便じょ…インスパイアされてるし、本作は他にも『チャイルド・プレイ』『エルム街の悪夢』と酷似してるシーンが多々あるから、カニンガム先生は確信犯でしょ笑

なお、前述のショック・シーンを手掛けたのが、『ウォーキング・デッド』等でお馴染み、今やホラー界に欠かせない特殊メイク/効果会社のKNB エフェクツ。
本作は会社設立後、きちんとした予算をもらって手掛けた最初の作品らしく、色々試せたと嬉しそうにインタビューで語っていたのが印象的でした。もしかしたら、今のホラー界があるのは本作のおかげかもしれない??