ホイットモア大統領

ゴーストハウスのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ゴーストハウス(1988年製作の映画)
3.6
“La Casa” を巡って③

輸入盤にて鑑賞。

こちらが3作目。
“La Casa” のタイトルで配給されヒットした『死霊のはらわた』とその続編に便乗して、イタリア人監督ジョー・ダマト、及び彼が設立したFILMIRAGEが製作した非公式続編。

しかし、冒頭こそ地下室や電球の破裂、悪霊目線ぽいカメラワーク(地を這うわけではない笑)はあるものの、『死霊のはらわた』とは全く似て非なる作品!!!

深夜、謎の男女の助けを呼ぶ悲鳴を傍受したアマチュア無線家。発信源の家を特定し、そこでたまたまキャンプに来ていた声の主に会うも、そんな悲鳴は記憶にないという。
しかしその家は、過去に少女が両親を殺害し失踪したとされる呪われた場所だった…

他国向けタイトルは “Ghosthouse”。
その名の通りお化け屋敷ものとして見ると、ひぐちカッター、天井ギロチン、牛乳硫酸風呂、虫だらけ骸骨等々、唐突で意味不明だけどインパクトは大の映像に、創意工夫の跡が見受けられて楽しい!

中でも、キャンピングカーが突如激しく揺れるシーン。
揺れ過ぎて戸棚のものが大量に落ちてくるんだけど、その中を何故かミニスカの女優さんがパンツを見せながらふらついていて、色んな意味で本当に危ない!…のに、そのアナログ感と勢いに笑ってしまう笑

上記の演出の他、ミステリー調で進むストーリーに、一度家を離れちゃう展開、謎の暴れ管理人といった飽きさせないようにする工夫も嬉しい。全部中途半端だけど。

ちなみに本作、マカロニ・ウエスタンと違ってちゃんとアメリカで撮影されており、該当の家は『墓地裏の家』と同じらしい!そして、ちゃんとヒットしたらしい笑

そんなイタリア映画あるあるの、「作品は大したことないのに音楽が良くて名作風に感じられるやつ」は本作でも健在で、怪現象が起きる予兆として度々流れる謎言語のアンビエント音楽、頭にこびりつきまくってヤバい。
また、テーマ曲然り、この時代のイタリアンホラー特有の画面にマッチしてないロック音楽然り、ピエロ・モンタナリさんの曲が総じて良く、これが無ければ3.3ぐらい笑