ホイットモア大統領

バトル・ヘルハウスのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

バトル・ヘルハウス(1990年製作の映画)
4.1
“La Casa” を巡って⑤

輸入盤にて鑑賞。

ここにきてまさかの傑作爆誕!!!しかも前作(?)の嘘タイトルを回収するエクソシストもの笑
何なら邦題からして最高。その日本版ポスターは題字もキャッチコピーもカッコいいから、気になった方は是非検索検索ぅ!

そして、あの『ヘル・オブ・ザ・リビング・デッド』の脚本家にして、その後もヴィンセント・ドーン先生とコンビを組んではパクリ散らかしていたクラウディオ・フラガッソさんが監督、かつもう1人の悪名ジョー・ダマト先生が共同脚本なのにこの出来栄えは最早奇跡…!ということで点数高め笑

あらすじ…
死刑囚から死刑執行前に「実は私は魔女っ子。I'll be back.」と言われ、ショックから聖職を捨てたジョージ神父。
一方、郊外に引っ越してきた新任のピーター神父一家を謎の怪現象が襲う!かくして、魔女軍団 vs. 神父ソンズとの異種格闘技戦の火蓋が切って落とされた…!

この手の作品て、小さな現象から徐々に怖がらせて…が定番だけど、本作はイタリア映画なので(?)、初日からTVが爆発し包丁が飛んできます。
俺ならこの時点ですぐ引っ越すけどな笑

加えて時節、“彼方の世界” からヨ◯スケさんばりに突撃してくる魔女軍団も怖過ぎた。特に顔。ジャンプスケアにもしっかり「おわっ!」と声を出してしまったよ笑
敵が強くてしつこいのもバトルものに欠かせない要素だが、どことなくヘタレで、エクソシスターでもない神父ソンズが勝てるわけねえ…と思わせた時点で本作の勝ち。ホント魔女の顔が怖すぎ。

アメリカで撮影しアメリカ人俳優を起用していてもそこはイタリア映画、白光りしまくるド派手映像に、どこかばっちいエクソシズムのケレン味が素敵。
あとスプーン。一家に1つは銀のスプーンを用意しておきましょう。

一方で、魅入られてしまう息子君がビビりながらもちゃんと妹を守ろうとする姿や、残された家族が「絶対に取り戻す!」という気概を見せる後半戦含め、『クレヨンしんちゃん 暗黒タマタマ大追跡』を思い起こさせる。割とマジで。

もしかすると、オカルト映画なのにとてもヒロイックな魅力があり、そのケミストリーが傑作たらしめてる所以なのかもしれない。
いや傑作なのかこれ?俺がこのシリーズを見続けてハードルが下がってるだけでは?笑

でも、カルロ・マリア・コルディオの、時に荘厳で時に激しくロックする劇伴は間違いなく最高。何ならバファリンレベルの比率で作品の質を担保してるし、アメリカ映画だったらアカデミー賞間違いなしでしょこれ。