結局カレー

ハケンアニメ!の結局カレーのレビュー・感想・評価

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)
3.9
アニメ製作の裏側を描く映画ながら全社会人にも突き刺さるお仕事ムービー。0から1をつくるクリエイティブの孤独と重圧、1を10に100にとするための苦労とぶつかり合い、1を生み出させて100にする環境を提供する調整力とリーダーシップ。そして100を1人でも多く届けるアイデアと戦略。そのどれもが大変だけどその道のプロフェッショナルが「良いものつくろう」っていうただひとつの目標に向かって折り合いをつけながら進んでいく。こういうのすごく好き。その目標を立てて0から1を産み100にするために周囲との衝突を厭わない監督の姿は丸くなりすぎてしまった今の自分には眩しかった。その監督の最大の敵でもあり最強の味方であるプロデューサーがこれまたカッコいい。素直にいいなぁって思った。

「食い物にするって言うならちゃんと食えるもん作れよ!」「名前覚えてもらえない、覚える価値がないって判断されてんだから」行城Pへの信頼がアチィ。本当に良いチームって馴れ合いができるチームじゃなくて認め合ってぶつかれるチームよな。

「覇権を握るアニメを作りたい」という作品かと思えば「100人のうちのたった1人でも胸に刺さるアニメを作りたい」という実直な思いで少しチグハグな印象はあったけど、面白いものを作りたいという斎藤監督自身の想いは揺らいでなかったから最後までまっすぐ受け止められた。自分を持って、自信を持って働きたいな〜