結局カレー

カランコエの花の結局カレーのレビュー・感想・評価

カランコエの花(2016年製作の映画)
3.6
ある高校の1クラスのみに行われたLGBTの授業が発端となりクラス内で始まったLGBTの当事者探し。クラスにいると確信した途端にみんなが噂する。授業で聞いたことと現実が急に地続きになると興味が湧き出す感じが妙にリアルだった。

その様子はまるで犯人探しのようで、潜在的な差別意識を垣間みる。悪気のない言葉たちに傷つけられるし「〇〇なんかじゃない。」という否定の言葉があまりにもキッツイのにそれは優しい友情の姿をしていて。カミングアウトの文字を愛する人に消される辛さよ。先生たちも尊重したかった故の行動かもしれないけど短絡的で。未成熟な子供たちにとっては「異端な存在」だと際立たせてしまったようだし価値観の教育って本当に難しいと思った。そう意味ではこの「カランコエの花」という作品を教材とするのも良いかもしれないね。

2016年制作、2018年公開。その頃といったらあるバラエティ番組で”ホモ”といった言葉を用いた名前のキャラクターが30年ぶりに復活し大バッシングを浴びた頃。結果炎上しテレビ局の社長が謝罪するまでに至ったけど30年前は多くの人が面白がり”人気キャラクター”として存在してたんだもんな。現代は社会が互いに「それは違うでしょ」と指摘しながら価値観を自問自答しながら差別をなるべくなくそうと働きかけている最中であり、2024年もまだその続きをしていくんだろうな。
短編ながら強いメッセージを感じられた作品。