結局カレー

ズートピアの結局カレーのレビュー・感想・評価

ズートピア(2016年製作の映画)
4.9
肉食動物と草食動物が共存し誰もがなりたい夢を叶えられる社会。現実世界にもある国籍や肌の色、職業や性別などによる差別と重ねて読み取れる強いメッセージ性もあり、田舎から出てきた若者が奮闘するサクセスストーリーでもあり、事件の真相を追うバディもののミステリー作品でもあり、チャーミングなキャラクターたちがやっぱりディズニーらしくって大好きな映画。

警察官という正義の象徴に強い憧れを持っていたジュディだって種族への偏見や他の職業を見下すような言動もあって、幼少期から潜在的に植え付けられてきた価値観や偏見を自覚することってすごく難しいと思った。差別されたくない!と思ってる自分も気付かぬうちに誰かを差別してることがあるのよね。良き友人を通じて自分自身の偏見に気づき、他者を傷つけていたことを認め、相手に謝罪し自省するジュディ。長い歴史で培われた人類の価値観を簡単に変えることは容易ではなく、自分も相手も時に傷つけてしまうこともあるかもしれないけれど、そうやってでも価値観をアップデートしていくことはすごく大事なこと。

伏線回収もうまくポップなエンタメ作品としても盤石かつ全世界の人々に共通する社会問題が大きなテーマに織り込まれていてまさに子どもも楽しめて大人も考えさせられる映画。
特筆すべきはね何よりニックがオシャレすぎる。立ち回りも台詞回しもカッコよくて公開当時ニックに恋して劇場から帰ってきた人たちを何人も知ってます。映画史に残る最高のバディだったね。マイベストディズニー作品。