結局カレー

もっと超越した所へ。の結局カレーのレビュー・感想・評価

もっと超越した所へ。(2022年製作の映画)
3.8
ソクバッキーなヒモ男、プライドだけは高い売れない俳優、ヤることだけヤって無責任な男、家に入り浸ってその気にさせちゃうゲイ。四種四様の徹底的なエゴにまみれたクズ男たちとそんな男に翻弄されて沼ってキレてる4人の女たち。可哀想な女たち、、、のようでそうじゃない。クズ男は1日にして成らず。今ここにクズ男が存在しているのはダメな女たちによるクズ男形成リレーの賜物であるからなのだ、ということがよくわかる非常に勉強になる話。笑

4人の男たちはみんなちょこちょこ嫌なところもあるけどみんなちょこちょこ良いなって思っちゃうのもわかる。顔がいいとか自分を必要としてくれるとかほんのささやかなプレゼントとか。冷静になれば自分のギブとテイクが見合ってなくね?ってなるけど、あまりにも当然みたいな顔してるからこれが普通に思えてくるんだよね。コロナ禍の不安感が後押ししてくるし。人間の習慣の怖さ。そういったなんだかなーっていうモヤモヤが後半まで続いていくんだけど、ラストこのフラストレーションの回収の仕方が最高だった。

目先のモヤモヤを吐き出し自己正当化に走るため腹から声出しまくってる女たちの叫びの激流。小さな幸せを噛み締めまくって歯茎から血が出ちゃってる感じ。お米持ってくれるのいいじゃんって。いいけども!男も女もみな阿呆でみな傷つけ合い傷を舐め合いながら生きていく。踊る阿呆に見る阿呆、同じ阿呆なら踊らにゃ損損って最後は笑っちゃうしょーもなさが良かったな。