beans045

RRRのbeans045のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.0
友情か?使命か?いや両方だ!


バーフバリ、マガディーラの監督が手掛けた超大作。インターバルを挟んで179分。しかし、それを感じさせないスピーディな展開。友情、勧善懲悪、歴史、愛、家族、自然、ダンス(ナートゥ)、歌をこれでもか!というくらいこの作品に詰め込んで、楽しませようとする意気込みが熱いほど感じ取られた。イギリスの現地総督に連れ去られた部族のマッリを取り戻そうとするビームと、警察官ラーマがお互い相反する立場でありながら、ある出来事をきっかけに友情で結ばれ、使命のため心を鬼にし、最後にどのような結末を迎えるのか?の伏線回収までに掛かる時間がインド映画らしかった。物語序盤は冷徹に見え謎めいたラーマのバックグラウンドを知ると物語も加速していく。Load、Aim、Shootは頭から離れない。ビームが獰猛な動物を使ってマッリを取り戻しに総督の邸宅に行くシーンは、間違った動物との交流だとムツゴロウさんもきっと怒るだろう。イギリス総督軍をあれだけ悪者に描いても許されるのだろうか?とツッコミたくもなったが、この作品はあらゆることを娯楽としてたエンターテイメントなんだと理解した。
ラーマが囚われの身となり衰弱から驚異的な回復をして、雨あられの銃弾に当たらないシーンはラストサムライのトム・クルーズを思い起こさせた。幼い頃、銃を持ったイギリス軍に村を襲われ、銃恐ろしさとその価値を知り銃を渇望してたのに、最後は原始的な武器を使って敵をいとも簡単に倒しちゃ、今までの苦労は何だったんだ?とツッコみたくもなる。バイク一台でイギリス総督の砦を粉々に出来る能力も、世界一の人口を抱え豊富なタレントがいるインドだからこそ出来るのだと感じた。そのようなことを成し遂げられる二人の友情は、どんな困難も乗り越えられるのだと、インドの人々に勇気を与えるだろう。
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