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カラーパープルのbeans045のレビュー・感想・評価

カラーパープル(2023年製作の映画)
3.5
アメリカの暗黒史

1920年代から第二次大戦後までの黒人社会で生きることの難しさを音楽を交えて明るく描いた作品。公民権法が無かった頃のアメリカ特に南部では、黒人たちは生きるのがとても難しかったんだなと思った。時間の経過が早く、大河ドラマにしてもよい内容だと感じた。ミュージカルということもあり、出演者全員の歌唱力がとても素晴らしかった。彼女たちの歌が映画のストーリーの暗さを打ち消していた。スピルバーグ版も観て比較しようかと思う。

セリーは父親に再婚相手を勝手に決められ、再婚相手アルバートのからは暴力を振るわれ、逃げて来た妹ネティも乱暴されそうになり、そこから二人は生き別れ…。アルバートからメイドのように扱われ、生きるために人間らしさを捨てたセリー。自分の意志で生きようとするソフィア、歌手になる夢を叶えたシュグに刺激を受け前向きに生きていくセリー。ネティから届いていた手紙をアルバートが隠していたがそれを見付けたシュグがセリーに手渡し、生きる意味を再び見出したセリー。ソフィア、シュグから背中を押されて、一歩ずつ前に進むことになったセリーだが、悲しいことも嬉しいことも受け止めて、次第に人間らしく生きていくようになる。
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