伝統と革新
ギリシャで長年父親の家業を継いで仕立て屋として生計を立てていたニコス。ひょんなことから彼はこれまで作ったことのなかったウェディングドレスを作り始め、様々な人の影響を受けて自分自身の人生を仕立てていくストーリー。
主人公のニコスや登場する男性陣の堀が深くて、みんな渋い。ギリシャの晴れ渡った空の青さが印象に残った。父と一緒に男性用のスーツしか作ったことが無かったニコス。お店が傾き、父が倒れ、屋台を引いて街に出て服を売り始める。しかし、スーツは簡単に売れず、スーツしか作れない自分の価値に気付く。プライドを持ってスーツを作っていたけど、父の後を追って自分の考えを持っていなかったのだと。ある日、ウェディングドレス作成の依頼がニコスに舞い込む。向かいに住むオルガと花嫁に合ったウェディングドレスを作り始める。ニコスは今までチャレンジしていなかった領域に踏み込んで、新たな需要に応えていってる姿はカッコよかった。パリッとした男性用スーツを作るのが仕立て屋だという父の伝統と、新たに出会った人からの需要との間で葛藤して自分で答えを出すのは大事なプロセスなんだなと思った。しかし、ニコスとオルガとの不倫はちょっと余計だなと思った。
