湯のみ

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスの湯のみのレビュー・感想・評価

4.0
ある主婦の、マルチバースを巻き込んだ覚醒の物語

笑い泣きしてるうちに本当に泣いてた(笑)

ボヘミアンラプソディーを初めて聴いたあとの感覚に似ているな。
こっちの方が元気で下品でラブリー。
目まぐるしいカオスの波を駆け抜けた疲労感の中に広がる、静かな多幸感。

宇宙に転がるあらゆる可能性の中から、あえてここに選び立っていること。この今を肯定できる、あるいはできる気がすると思えることは、生きていく上での希望でしかない。観た後でなんか嬉しい気持ちになったのは、その事を示してくれたからかもしれない。

宇宙だのベーグルだの壮大なギャグのような哲学を見せられたかと思いきや、最後はずっと欲しかった言葉を言ってもらえたよう。その素直な着地に、エンドロールで思わず目を閉じてしまった。拍手。
湯のみ

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