ホン・サンス作品は『逃げた女』以来だけど大好きで、ただのおしゃべりを見てるだけで何でか楽しい。謎のズームは今回も健在。
「あー今スベったな」とか「お、意外と非常識だな…」とか、そういう地味な可笑しさまでをスクリーンで観るという贅沢。取り立てて言うこともないけど癖のない人などいないし事情もあるよな、という普通のことを穏やかに感じさせてくれる。
作家のジュニ、空気を読まずに正論をぶちかますので周りは気まずさに巻き込まれるけども、お門違いの気遣いやらつまらん御託を並べるおっさんなどを退散させる強さがあって面白かった。嘘がなくて好きだと思った。
春先の韓国の乾いた空気、紙コップで飲むコーヒーの香り、あったかいラーメンとマッコリの甘さが、モノクロの映像の中で彩り豊かに広がっている。
友達ができるって、嬉しいね。
個人的にはキムミニの服装がツボで、特に濃色のジャケットと白ボトム、パールのピアスに黒エナメルのブーツという合わせがたまらなく可愛かった。