ながみ

すずめの戸締まりのながみのネタバレレビュー・内容・結末

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

公開当時見てたんだけど、レビューしてなかったんでやっとく。

正直色々思うところはあるが、震災について描くという難しいことをやってのけた新海監督には畏敬の念を抱く。
君の名は以降の三作の中で最も好きかもしれない。
どこがと言われると難しく、うーん微妙というところもだいぶあったが、終盤の下りが好きだ。
どんなに辛いことも忘れていくということ、そして何を忘れないのかということ。
そして、辛くても「あなたは光の中を歩いていける」のがわかっていること。
「いつかは大丈夫になれる」ということと、「大丈夫になってしまう」ということ。
大事なものは、もうずっと前から与えられていて、自分の中にちゃんとあったこと。
自分を救えるのは自分しかいないが、その要素は他者から与えられた愛がきちんと生きていた証だ。あったことはなかったことにはならない。辛いことも、幸せだったことも。
その両方と向き合えるようになる主人公、幼い自分の手を引くことができる主人公。その姿に一番心を惹かれたと思う。

震災当時、遠い場所にいた自分は芹沢が一番近い立ち位置なのかもしれない。当事者というほどでもないが、当時に生きていた人間として。
この映画が作られたということ、そして多くの人に見られたということ自体に意義があると私は思うので、改めて新海監督はすごい人だと感じる。
ながみ

ながみ