肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

TAR/ターの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

TAR/ター(2022年製作の映画)
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ここまで華々しくない『アマデウス』はあるのか
「コンプライアンス」の名の下に理想の音楽を求めたばかりに出る杭は打たれる「アーティスト」という生き物に恥も外聞もなく最後まで行っTARれ

主人公リディア・ターの彼女の視点、生き様を克明に描いても、それを傍観している観客は「第三者」であることを突きつける、"真実は不TAR明"の「監督の悪意」と「見えない悪意」はスマホの画面を通して、すぐそこに・・・

と、まるでホラーかサスペンス・スリラーみたいな紹介文にしましたが、がっつり「(サイコ)ヒューマンドラマ」ですね。
予告で感じた映画とはかなり違う"全然音楽、音楽してない"のも予想外です。
オープニングを挟み、クラシック映画の伝統であったオープニング(スタッフ)ロールがほぼエンディングロールとして長々流れ、若干遠目に民族音楽の声楽が聞こえ、インタビュー→楽団関係者と会食とずっと"会話劇"が展開され、視聴者を殺しにかかりますよ。睡魔の(笑)
仕事帰りなどお疲れの身体で観るのをオススメしませんよwぐっすりいかせてもらえますよ?

だから、あからさまに"万人受けするものではない"ですし、かと言ってストーリー、展開、読解もなくケイト・ブランシェットさんの"怪演"一本だけで特に魅力を解説できないのに高評価するのも"SNSを介しての世間の風評被害"を風刺した映画でもあります。
さりとて、自分の無理解を盾にして酷評するのも、その時点で監督の"悪意と作為"に絡め取られたとも言えるし、この映画で描いてる"世間の断定・偏見・悪意"を体現してしまう"滑稽の化身"となることもお忘れなく😉

なので、自分は"未評価"なんですけどねw
どちらにしても個人の好みは避けられないでしょうし、この映画の構成と約160分(2時間半超)に対してのテンポも"クセ大アリ"と言えます。
人物名がポンポン出るにしては誰が誰だか中盤以降じゃなきゃ理解しずらいし、
なによりリディアの過去、リディア含め指揮者としての愛弟子でマネージャーとしてのフランチェスカと自殺する渦中の人物であるクリスタの"3人の関係"を具体的に明かされることはありません。
そもそもクリスタは配役は準備されていますが、回想もなければ表立って現れる人物でもなく、会話として繋がるシーンも一切ありません。
過去の事は"全て隠されている"のです。

この映画の面白い所は、「(パーソナル)ヒューマンドラマ」でありながら、人と人の表面上の関係は描きまくるが、エモい親密さは"人間関係の実態"をほぼ描いていないのです。
レズビアン夫婦であり、楽団バイオリン奏者である妻との親密さだけ描かれますが、それだって序盤だけで終盤の会話を鑑みると全容がいまいち分からないのです。

そうなると、本当にオープニングの撮影動画が「鍵」となってくるんですが、それが"いつ?でどこ?で誰?"なのか掴めるヒントのようなものは明かされますが、それで我、答を見たり!とドヤ顔で"断定"して解き明かした気になるのも"なんか違う"気がするんですよね…
それこそが"監督の術中"にハマり、この映画のテーマとなっている気も…

だからただ隠し、答えを克明にしないことによる"推理要素"があるのだけど、かと言ってこれを"ミステリーにしたくない"ズルさもあって、"必ず2回観たくなる"という理由もそんな"一回じゃわからない"ズルさゆえですw

そうなると、"映画史に残るラストシーン"とされていた(ような気のする)ラストも"個人の解釈に委ねられている"気もして、"一側面だけの見方だけじゃない"気にもなってくるのです。

それも"現代の風刺"と捉えるなら「セカンド・ライフ」として"第三者"がとやかく判断するべきではないし、彼女はいずれやっTARるのだから