Norisuke

N号棟のNorisukeのレビュー・感想・評価

N号棟(2021年製作の映画)
3.4
東京の女子大生史織は死による消滅を恐れ、死恐怖症による不眠症で絶賛睡眠薬愛用中の身。唯一の肉親である母が入院して植物状態であることも彼女のエキセントリックさに拍車をかけている。史織は元カレの啓太が友人の真帆と交際しているのを知りながら一夜を共にするなど、刹那的で身勝手な生活を送っていた。そんなある日、映像研究会に所属する啓太が卒業制作としてホラー映画を撮りたいと言い出し、ロケハンとして幽霊団地と言われる岐阜の廃墟へ行くこととなって…な話。

あらすじは割とマイルドに書いてあるものの、いわゆるメンヘラ女子がヒロインというのは斬新。鬱の方向ではなく躁の方向に向かってるのか、序盤から物語と啓太&真帆カップルをグイグイ引っ張っていって、実にアグレッシブ。初対面でも距離感ガン無視で交渉に長けているのも良い。
廃墟と思っていた団地には多くの住民が住んでいるものの、何故か全員、白黒赤のうちのいずれかの衣装を着ていて実にヘン。果たして幽霊なのか、カルトなのか…?という謎解きもあるのは面白かった。
後半、リーダー加奈子との対峙シーンはメンヘラの本領発揮といったところで、死に対して熱く語るのも好き。不気味すぎる団地内のライティングと、暗闇からフッと現れる静の怖さも良かった。
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