肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

家をめぐる3つの物語の肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)
3.6
さくらももこ風のキャラデザや『ファンタスティック Mr.FOX』も思わせる世にも奇妙なダークファンタジーオムニバスをフェルト調のストップモーション・アニメでお届け♪

1.内側で聞こえて紡がれるウソ
貴族家の家系にありながら落ちこぼれ貧民家に成り下がった子息の一家に"家の贈呈"の契約が舞い込み、堪能する両親とは別に幼姉妹が奇妙な家という迷宮に嵌まるお話

いやはや風刺が効いてますねぇ。"物質主義"を風刺的コメディとして描いたチャップリン『モダン・タイムス』に通ずるものがあるような気がします。とんでもなく"ブラックコメディ"だけどw
"自分の身の丈に合ったもの"や"人間が家を買うのか?人が家に買(飼)われるのか?"などの「教訓」が前に出たようなお話。家を贈られるというか自由さのない"ほぼシェアハウス"だっつーの(笑)
落ち着いた緩いかわいらしさもある人形劇なのにその奥に潜む恐れさや"ホラー感覚"が見事に表現されていて、最近ホラーでもこんな雰囲気を出せる映画さえ少なかったので、興味津々でした!
「ストップモーション・ホラー」とは実に斬新

2.敗北の真理にたどり着けない
※害虫注意 Gじゃないからマシかw
独り一軒家の内装&不動産の売り主ネズミが地道に豪華な内装へと変貌させていざ内見へと漕ぎつけるも、害虫大量発生!?でも住宅は奇妙なげっ歯類風変人客に興味を持たれ売買の行方は!?なお話
あなたはカツオブシムシについて検索することになる

もうこれミュージカル映画『キャッツ』のパロディみたいなもんでしょ?(暴論)
例に挙げた映画からわかるように、もうほとんど「カルト映画」に相応するような奇抜な映像ですw
なんて"虫ミュージカル"が拝めますからねw
これまたケース1とは違った"奇妙さ"がありつつも"虫恐怖"でじわじわ責められる、結構虫苦手な人には要注意な"虫だらけストップモーション"です(笑)
この話の面白いところは、実は"鼠という家に住みつかれたら困る「害獣」が「害虫」に悩まされる"という構図のなかなかにキレの強い"ブラックユーモア"を発揮しているところなんですよw

3.もう一度 耳を傾けて太陽を目指して
洪水被害でぽつんと一軒家状態になった邸宅で猫大家がアパート貸家を営むも残った住民2人は現金でいっこうに家賃を払わないっ!水害でボロボロの一家の修復もいっこうに進まないのに、また無一文の知り合いのつて客が来やがって…!なストレスフルから次の段階へ導くお話

これはめちゃくちゃ"前向きなメッセージ性"の高いお話になっています。そういう朗らかなやり取りのユーモアからも実にウェス・アンダーソン『ファンタスティック Mr.FOX』を思い浮かべやすい映像になっております。
新たなスピリチュアル系闖入者が来てサプライズプレゼントの段階からオチが読める人は読めるのですが、これ意外にもケース1と通念的には似通っていまして、過去の財産、歴史である"家に人が縛られる"という「家」の概念に人が抱いているものを風刺しています。
精神(スピリチュアル)的にも人が"固執しているものを手放す"ことを即すキャラクターが登場することで、「家」というイメージにも"固執"しない様々な問題に置換できる"振り幅の広いメッセージ性"へと変貌を遂げます。
ほぼ無料ど住み続けている2人の"盗人猛々しさ"な怒りも様々な"理由"が見えてきそうですよね。

※総括※
1、2話と全体的に"ダーク"な世界観が支配するシブい話だけかと思えば、1話は「風刺」、2話は「カルト(&シュール)」、3話は「『家』から開放されるメッセージ性」と様々な要点が強く出ていて、暗いだけじゃないジャンルも様々と"ストップモーションアニメの持つ「可能性」"も幅広く見せてもらいました。

この全3話、気づきにくいけどなかなかに豪華な「邸宅」も共通した間取りが同じ「一軒」の家で繰り広げられる「テーマ」と「アーティファクト」の融合は、オムニバスってこうゆうのじゃなきゃ!て思わせてくれる興味深いものでした。