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ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサートのsoのレビュー・感想・評価

4.0
冒頭リンゴがドラムのセッティングが違うことを指摘しながらハイハットの位置を微調整する、その時鳴ったシャンシャンという音に、一気に胸が高鳴る。
「ああ、ビートルズのライブが始まるのだ!本当に!」
ファンとして歴も深さもまだまだ浅い自分ですらこれなのだから、筋金入りのビートルズファンは失神しちゃうんじゃないか。

ルーフトップコンサートの素晴らしさは言わずもがなだけど、
ライブと同時進行、何台ものカメラで周辺の様子を記録した映像が、その編集含め、ビートルズ的と言いたくなるような冷笑的なユーモアに満ちていて面白かった。
映画の前半に初期ライブにおける少女達の熱狂的な様子を見せた上での、大人になった彼女達の「うん、彼らのこと好きよ」という肩透かしを食らうような反応。
寝てたのに騒音で起こされたと怒りまくる老婆。
演奏を止めさせに来た警官に対するスタッフの無茶苦茶な言い分、それと「うん、ちゃんとしてくれよ」となぜか引き下がる警官。
そんな地上でのすべて、ラブもヘイトも全部まるごと笑い飛ばす屋上の4人の姿に、
ああやっぱりビートルズって最高、と溜息が出る。

通りすがりのハットを被った初老の男性曰く、
「彼らは独立独歩で独自のスタイルがある。まぁ素敵な連中だわな。」
まさに!彼らは素敵な連中なんだ。世界で一番素敵な連中。
ただ僕は言いたい。おじさん、あなたも相当素敵です。
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