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希望の灯りのsoのレビュー・感想・評価

希望の灯り(2018年製作の映画)
4.0
整然と並べられた商品の間を静かに走るフォークリフト。
「夜の時間へようこそ」というアナウンスと共に流されるG線上のアリア。
まるで全てが完全にコントロールされる中で反復されてゆくような、真夜中のスーパーマーケットの光景にうっとりさせられる。
しかしそれは、従業員が勤めを終えそれぞれの帰路へと向かう時、彼らがそれぞれの孤独へ帰って行かざるをえない残酷な反復でもあるのだ。

スーパーマーケットに入社した青年クリスチャンと熟練の同僚達の交流の物語。
「希望の灯り」というタイトルだが、この映画でやっとともされる灯りは限りなく細く小さい。でも、どんなにか細くとも、その小さな灯りを頼って人は何とか生きていけるのかもしれない。

「今日はどうだった?」
「いい日だったよ。そっちは?」
「良かったよ」
なんでもないバスの運転手との会話にすら、希望の灯りを感じる。

どこかヴィンセント・ギャロを彷彿させるこじらせナイーブなクリスチャンが良かった。クリスチャンが初めてフォークリフトを操縦するシーンが最高。
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