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桜桃の味のsoのレビュー・感想・評価

桜桃の味(1997年製作の映画)
3.0
自分にとってイランの街の日常の風景へとつながれるただ一つの窓口、アッバス・キアロスタミ。
都市らしくビルが立ち並んでいるかと思うと、車で少し行けば土と埃しかない荒地にたどり着く。
車を停車すればたちまち求職者達が群がってくる、一方で、自然史博物館の前ではカップルが記念撮影のカメラ撮影を頼んでくる。
そんなちぐはぐな風景を横目に、この映画の主人公は人生を自らの手で終わらせるために車を走らせる。

イランの青年達の顔の純朴さたるや!
そして自殺志願の中年男性の顔が、なんと私たちに馴染み深いこと。

うねうね道を進んで行くように、
耳に届かなかった言葉をもう一度聞くように、
紆余曲折、中断と再開を繰り返しながら確かに歩みを進めてゆく、この独特なリズムがたまらない。
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