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17歳の瞳に映る世界のsoのレビュー・感想・評価

17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)
4.0
「Never Rarely Sometimes Always」
ぼんやりとしたこのタイトルが鑑賞後こんなにも重くのしかかってくるとは。
映画がタイトルに意味を与え、タイトルが映画に意味を与える。
このネーミングセンスに脱帽。

そして冒頭、主人公オータムが学校のタレントショーで弾き語りを披露するシーン。
そこで歌われている言葉こそが、彼女がこの映画でたった一度、自分の心情を吐露している言葉なのだ。
エンディングに向けて彼女の心情が明らかになっていくのでなく、
何も始まっていないオープニングにいきなりさらけ出される胸の内。
タイトル同様、映画が進むにつれこの言葉の重みが増していく。

こういった斬新とも言えるような見せ方も、とてもさりげなく静かで、
「NO」と叫べない代わりに、歌い、鼻にピアスを開けるオータムの悲しみや怒りを秘めた静けさと似ている。
あくまでもオータムと同じ歩調で進んで行くような映画の作りに、監督の彼女に対する切実な思いが伝わってくるようだった。

NYの街と人々の描きかたもとても良かった。
雨に濡れる窓と音楽、Sharon Van Ettenによるエンディング曲は翻訳されていて、歌詞も良かった。
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