友達の家へ行き、仲間が集まる店へ行き、パーティーをして、恋愛をして、、なんだ、アイスランドの若者だって日本の若者とさほど違わないじゃん、と思ったのも束の間、やっぱり全然違った。
何かつらいことがあれば、草原を走り回ったり、馬に乗って駆け抜けたり、そうやって自然が癒してくれることもあるし、逆に動物達の死やいつまでもどこまでも続く自然に心を蝕まれることもあったり。
自然に閉じ込められているような身体の閉塞感と、幼馴染の親友への恋心を隠さねばならぬ心の閉塞感、その両方に苛まれるクリスチャンの表情に胸がキリキリと痛む。そうだ、水の中ってこんな轟音がするんだった。
息がつまりそうになるほど、彼の思いの切実さが伝わってきた。
クリスチャンの未来、あるいは同じように苦しみ抜いた人々の未来への、願いに満ちた優しいエンディングが素晴らしかった。
