さとし

今夜、世界からこの恋が消えてものさとしのレビュー・感想・評価

3.8
これはなかなかでしたね。

世の中から人や物が消えるというのはどういうことなのかを考えさせられる作品でした。主演の道枝さんはどこかで見たことあるなと思ったら井ノ原さんのお弁当映画の息子役の俳優だったんですね。なんとなく印象に残っています。福本さんはTOHOシネマズの幕間の時間のコンセルジュのイメージが強いですね。まあ、演技は良かったですね。編集の力もあって構成が良かったです。吉川さんもいい味出しててこの3人が中心になって展開するのでラブストーリーの要素だけではないものもありました。三角関係とかでもなく一つの恋と二つの友情といった感じです。まあ、最終的には福本さんの目の演技に軍配です。海のシーン印象的でした。

ただ勿体無いのはせっかく記憶障害についての映画を最初の3分で面白い方向へもっっていくなのかと期待したのですが、それを生かすことができなかったぎみです。「50回目のファーストキス」に代表されるこの記憶系サブジャンルは眠ってしまったヒロインが以前の記憶をなくしそれをどうすることもできなかったのがこれまでの作品です。ところが今作はそのアイデアをいい意味で違う方向へ持っていきそうだっただけに、そこへもっていくまでのプロセスを2時間かけて描いただけです。何もいかせていない感じでした。あと友達のために後半のオチは現実離れしています。あそこまではいくら友達でもできませんね。実に乗ったないです。

まあ、傑作になる可能性があっただけにちょっと残炎ですが、良い点もいっぱいあったのでそこらを見てほしいです。
さとし

さとし