タスマニア

NOPE/ノープのタスマニアのレビュー・感想・評価

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
4.0
2022年81本目。

得体の知れない恐怖を描くの上手いぜジョーダン・ピール。
ある程度、「なんとなく、こういう形の、こういうものなんじゃないか」と予想はしてしまう。仕方ない、人間だもの。
その予想が当たっていても、当たっていなくても楽しさが変わらないようなビジュアライズとメッセージ性と恐怖構造の作り方。

個人的にはネタバレされても本質の面白さは変わらないのでは?と思ったり。
あ、でも、恐怖の正体が分かった状態だと、序盤〜中盤ぐらいのジリジリと恐怖が押し寄せてくる体験が半減してしまうか。
でも、そこが一番大事というわけではないのが、ジョーダン・ピール。
「ゲットアウト」も「Us」もストーリーや恐怖構造を、社会的なメッセージを伝えるツールとして使っていたみたいだから。

冒頭のシーケンスが秀逸すぎる。
物語の本筋ではない出来事ではあるけど、すごく意味深で、かつ、不穏な空気感と共に映像をお届けされて、ぞわぞわした。
ゴーディの事件がこの映画内で描かれる意味合いについては、解説とかは読んでないけど、自分なりすごく納得のいく解釈ができたので、更に満足感が増した。シンプルに映像として恐ろしい上に、合点が入ったので。

ゴーディもラッキーもあいつも本質は同じ。
OJの調教師としての覚醒とともに、異常なまでな落ち着き具合に、すごく爽快感がある。
エメラルドに対してのアイコンタクトのシーンとかは特に格好いい。
そういった清々しいシーンが用意されている点は、なんか彼のこれまでの作品とは違って、この映画がメジャー大作映画という位置づけであることを感じたりもした。
全然、国も作風も違うけど、新海誠が「君の名は」を撮った時みたいな笑

色々なシーンに散りばめられた何らかのメタファーや、音による恐怖、予告編で写っていた間抜けなゴム人形の役割など、他にも色々語りたいことはあるけど、これはこの映画を見た人と語りたいやつだ。

とりあえず、期待通り満足した!
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