タスマニア

ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバーのタスマニアのレビュー・感想・評価

3.0
2022年102本目。

MCU的にすごく難しい決断と選択をしただろうなって思える映画になっていたなぁ。
結果的に「え、これでいいの?」「この選択でいいの?」「望んだ方向にストーリー進んでる?」って個人的には不安を抱えながら見ることになった。
だからといって面白くなかったわけではないので、なんか望まぬ形で不思議な映画になった気がする。

"チャドウィック・ボーズマンの死" を "ティ・チャラの死" と捉えるという大きくて、なおかつ「より難しい方」を選択したと個人的には思う。
そして、160分をかけてチャドウィック・ボーズマンを悼む構造になっている気もする。
オープニングなんかもろにそうだから。

ただ一方で、作中を通して、ティ・チャラの死を乗り越えきれていない感じもする。苦しみ苦しんで、やっぱり苦しい。そんな感じ。
ここはある意味どんな脚本でも出せないリアルさなのかもしれない。望んだ形ではないけど。

そんな感じで、個人的には賛否分かれる映画なんじゃないかなー。
あ、でも、ミドルクレジットの内容がちゃんと観客の情緒に対して機能しているのはMCUでは久しぶりな気がする。すごく良かった。

何はともあれ、ネイモア最高。
見栄え的には華やかながらも、新生プラックパンサーにも、ワカンダの面々にも個人的には爽快感はなく、痛々しさを感じてしまった一方で、圧倒的にネイモアが輝いていた。
水面からニュッと出てくる異質さと、足から生える羽根で "空を泳ぐ" 表現と、シンプルな強さ、そして、ワカンダの "ヴィランみ" が強い今作においては相対的に応援したくなる立ち位置。
海底都市ということはいわゆる "アトランティス" 的なサムシングだと思うけど、タロカンの民族が映像的にすごく映えていた。
シャチとクジラに捕まって登場するのは最高やで!

アイアンハートことリリのお披露目シーンは「初代アイアンマン」を思い出させるフォルムで、ちょっと胸が熱くなった。

「ワカンダ・フォーエバー」というセリフを使うタイミングは全部「そこじゃないやろ笑」感があって、笑ってしまった笑

近年の MCU 作品と比較すると圧倒的に他の作品の前後関係に左右されない「ブラックパンサー」シリーズ単体として作品が成立する素晴らしさは声を大にして言いたい!
タスマニア

タスマニア