タッくん弐

かがみの孤城のタッくん弐のレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
3.4
集団の中の孤独の方が辛い

それは常日頃小生も感じていることでして、無論個人的に登場人物同様の年頃の際にも多々

元来、隠の里出身である拙者、特に年代・性別の違う集団の中に放り込まれた際の小生ったら目も当てられぬ有様で

少しでも絡まれようものなら止まらぬ発汗、挙動不審でもうその場から逃げ出したくてしょうがない、そんなしがない人生

唯一、今作の登場人物と異なるのは小生は汚れちまった大人ですから金の力で現実逃避することが可能

そういう次第で先日などは繁華街に赴き、お店で知らない女性とお話する機会に恵まれました

顔も見えない程に暗い店内、話と言っても初対面で相手方も会話を弾ませるのをあまり得意としない様子

するとどうでしょう、流れる有線を口ずさみ不肖小生の聴いたことない曲を歌い出したではありませんか

いくら小生のトーク力の無さに辟易し、退屈が過ぎたとしてもこれは…と軽く憤慨しそうになるも何とも健気な夜のマーメイド

まるでこれは自分の中に作った殻から出ておいで、と呼ぶ声にも聞こえ一瞬ですが世界で一番優しいのではないかと錯覚を

似ても似つかぬ今作主人公こころタンが自らの傷も厭わず、小生を癒そうとしてくれているのかと泣きそうに

結局フルで歌い切った彼女、それを体育座りで黙って聴いたボキ

帰り道、星の見えない新宿の夜空はあの頃と何も変わらない自分を吸い込むような真っ暗闇で小生を包み込んだんだとさ

横にはギラギラガールズ

お空で幸せに暮らしますって言いたいナ、大人になんかならないで

ときめきが消せやしない
いま、あなたに伝えたい
タッくん弐

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