まる

線は、僕を描くのまるのネタバレレビュー・内容・結末

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

なんとなく予告で話の想像ができていたけど、どこか私も救いを求めて鑑賞。
清原果耶ちゃんがすごい好きで、クールでちょっと不器用なところがモネを思い出させた。そして着物も、描く横顔も美し過ぎた。途中、江口洋介がかっこよすぎてええ役やぁ、ってなった。やっぱり江口洋介はこうでないと!パーマネント野ばらの江口洋介が好きすぎるから、カッコ良い役まわりでとても嬉しかった。気の良いおっちゃんみたいな役回りで終わらせないでいてくれてありがとう、、
できるできないじゃなくてやるんだよって言う言葉もなんだか沁み渡った。
苦しいから忘れたいのに忘れられない。この苦しさは、どうにも他人が正しく理解するのは難しい話で、一緒に行く、と言った千瑛に、なんだか救われたし、こんなふうに誰かに寄り添ってもらいたいなんて思った。
モネの時のかやちゃんの、多くを語らない表情の演技が衝撃すぎて、被災を直接見ていない立場で傷ついているモネちゃんを思い出して、千瑛はそんなことはないのに痛み分けのような気持ちになってしまった。
あとは親友?の細田佳央太くんのシーンに泣いた。ドラゴン桜の時もすごいインパクトあったけど、この子本当に良いわぁ。
きっとそういう制作の思惑だと思うけど、最初チャラい今どきの普通の男の子なんかなと思ってたら、
何もできない自分にも腹が立つし、
自分は身内じゃないけど、身内だとしても、足枷になりたくないって言う言葉が、こんなんただの友達やったら出てこない言葉だと思ったし、この子の怒りは思いやりに溢れていて、もう3年だなんて、「初恋」で似たこと言ってたように、痛みに時効はないのだから、他人にはそんな風に言われたくない、当事者にしか分からないんだって思う気持ち半面、こうやって暗いところで立ち止まっているのを、ふと我に返らせてくれたような、そんな気持ちになった。
このしんどさって、誰かに認めてもらっても、話を聞いてもらってもどうにもならないし、過去は変えられない、霜介の言うように苦しみはこちらの都合関係なく突然やってくるもので、どうにも感情に折り合いがつけられない時もある。そんな時に必要なのは、他人がさしてくれる傘なのではなくて、雨の中でも自分の足で歩いていけ、とカッパと長靴を投げつけてくれる人なのかもしれない。
yamaの音楽もよかった。
音楽のカットインがファーストラヴっぽかった。
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