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ヤクザと家族 The Familyのまるのネタバレレビュー・内容・結末

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

初めて映画に救われたと感じた作品。
コロナ禍、あらゆることが制限されて、職場にもコロナを出さないようにとあらゆる娯楽や休息に自分でも制限をかけて、心がすり切れて、もうどうにもならないかもしれないと思った時に観にいって、ほんの2時間、あらゆるしんどさをすっかり忘れて、映画の世界にどっぷりハマることができた、本当に素晴らしい作品。
リア友の常田と綾野剛が携わる作品だからと、推しへの応援のために行ったのだけれど、藤井監督もろとも大好きになった。
綾野剛が年を重ねて、激渋なヤクザがとても似合う。
3つの時代が流れていくから、途中で飽きることなく、終始どきどきハラハラしていた。
綾野剛と尾野真知子のやりとりは、最高の離婚を思い出したけど、尾野真知子がとても尾野真知子で、それまでシリアスが続いていたので、ちょっとコメディーチックなやりとりに笑ってしまった。
全然関係ないけど、vaundyの世界の秘密
「難しいことはわからないけれど実は僕らが悪者だったかもしれない」って気持ちになった。悪を倒すことが正義だなんて、そんなのおとぎ話で、世界は複雑で、全てが良い方向に進むやり方なんて実はどこにも存在しないのかもしれない。
舘ひろしの凄みきかせるとこがかっこ良すぎたし、病に侵された舘ひろしの表現も素晴らしかった。
暴対法後のヤクザの生活がリアルなのか分からないけれど苦しくて、この精神えぐられる感じを表現する監督が単純にすげーと思った。
そして今の時代の産物とも言えるSNS問題もうまく組み込まれていて、ただ苦しすぎて、いろいろ考えさせられた。
みんな苦しい、そしてそういう終わりかたなのか、と切なさマックスで、
でも磯村勇斗の最後の表情が、すごく良くて泣きそうになった。
ハッピーエンドではもちろんないけれど、ちゃんと物語が完結されて、感情がたくさん動かされて、かつ自分の周りにはあまり深い共通点がない分、フィクションとして完全にのめり込むことができて、本当に久々にエンタメを心から楽しんだという意味ですごく良かった。
サブスクで家でも映画が簡単に楽しめる時代になったけれど、映画館はこれからもなくならないでほしいし、日本の映画界がこれからも繁栄していくことを祈った。
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