カルダモン

ミッション:インポッシブルのカルダモンのレビュー・感想・評価

4.6
シリーズもついに6作目を数えた今、1作目のトムクルーズを見返すと感慨深い。
CIA本部で宙吊りになり、汗キャッチしていた22年後に、まさか自らヘリを操縦し、高度7000mの上空から時速200㎞で落下し、パリを疾走し、ビルを飛び越えて骨折するなんて思いもしなかっただろう。

公開時こそスパイ大作戦を台無しにしたと反感を買っていたミッションインポッシブルだが、いまやそんな次元すらとうに超えて、トムクルーズの生き様を観察するシリーズへと昇華した。

その出発点となった本作では、舞台設定、キャスティング、小道具、etc。スパイ映画ならこういう画が観たい、という願望をことごとく叶えてくれる。
カメラワークとライティングはやはりデ・パルマ。サスペンスとしての効果は絶大。
その後のシリーズで、このクラシックなテイストが見られなくなったのは個人的に寂しかったのだが、マッカリー監督が新たなステップを踏んでくれたことで、気持ちが前のめりになれた。

新作公開の度に映画チャンネルで放送されるのだが、一旦観始めてしまうと結局最後まで観てしまう困った映画。