ものすごくよかった。
ままならなさをそのままに、ただただままならなさの中にあり続ける。
ずっともっさりした服で目の下にクマ作ったミシェル・ウィリアムズの寄る辺なさ。隣の芝生は青い。自分以外は皆自信に満ちて疑うことなく進んでるかのようにみえる美大生の制作風景に既視感。ままならなさの象徴として陶芸、窯変が扱われたのもよかった。
庭に穴を掘る弟役のジョン・マガロの姿、そのあとウィリアムズが美大の各アトリエをただ彷徨くシーンが続き、涙が出てきた。弟と美大生または作家、やってることの違いは何なんだ?意思疎通がとれる社会性が保たれているかどうかってこと?
カタルシスとしての鳩。その行く先に姿はなく、ミシェル・ウィリアムズとホン・シャウの後ろ姿のロングショットに一瞬鳩の鳴き声が入る。カメラが引きながら上がっていく開放感。オープニングとエンディングのミニマムな曲も没入する感じでよかった。