lololo

EO イーオーのlololoのネタバレレビュー・内容・結末

EO イーオー(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

“この方が動物は幸せだから”という人間の傲慢と、“とは言えロバにも色々ある”を一度に感じる映画。EOはロバだから何も言わない。その瞳や描写のされ方に、EOが何を思うのか観客が読み取ろうとする時、“こうあって欲しい”というある種のエゴを込めてしまう自分に何度も気付く。

EOにとっての幸せはEOにしかわからないし、これからもわからないまま旅は続くのかもしれない。EOの旅路が良いものであればいいと、曖昧なエンディングを眺めながら思った。EOはぼんやりした哀愁がありつつも、なんだかんだ主人公気質がある気がしたので(それも私の願望か。)、またどこかへ旅に出ることになるのかもしれない。

それにしてもロバかわいい。

出てくる人間がみんなどこか訳ありな感じがまたよかった。対EOの優しさと人間としての品行方正さが必ずしも比例しないのがリアル。


──以下、メモ。

人間の都合でサーカスに出演してゴミ捨ての牽引もして、サーカスから没収されて…。トラックに乗せられたEOの涙を「別れを悲しむもの」と捉えるのもまた人間の都合だよな…。でも、愛してくれたカサンドラが居たのにな…。

野を駆ける馬愛の姿は、EOにはどう見えたのか。ある意味で、会社員がいきなりフリーランスに世界に放り投げられた感じというか。しかもEOはロバでEOが目にしたのは競走馬のような大きな馬。

施設のオープン記念でみんなが入っていく時に一人でぼーっとして外にいるEO、首のにんじん食べて呑気だな〜。
でも結局やらされることは荷物の牽引だ!
丁寧に洗われる競走馬と、それを眺めてるEO…。
サラブレッドみんな気が荒い…からの荷台引っ張って棚を壊して、荒れ果てた牧場へ連れて行かれる…。
カサンドラのことを思い出すEO、そうか移動する度にその名を知る人は居なくなる
子どもとの、ふれあい牧場みたいなのに駆り出されとる…。
遠景からの木が倒れるところすごい。

カサンドラ(マグダ)とあのバイクの人がEOのお誕生日祝いに来たのすごい執念だけど、シラフで来てくれ。女の子が帰る時めっちゃ鳴くじゃんEO。そして逃走して追いかけるEO…大冒険。。夜の森では蜘蛛の巣さえ恐ろしく見えるのリアル。
遠景の中にポツンといる描写が多いの、孤独感がある。
そのトンネル森の中彷徨った末に見つけるの主人公の素質あるなEO。

街中で発見されたEOを消防車?に繋いで連れていくのすごいな。そして綱を解かれるのもまた人の気分次第。サッカー観戦するEOシュールだな。
サッカーチームに連れて行かれるEO…。珍道中すぎんかこの旅。そしてEOが出て行ってから襲撃されるサッカーチームのパーティー。ロバにまで殴りかかる人間やばくない?
その直後にEOが見たのが四つ足歩行ロボなのすごい。それがひっくり返ってまたすぐに立つのとか…。

撫でられる時の音、ありんこが木の上を歩く時のカサカサした音が聞こえるの、ロバ視点って感じがする。
馬の耳にヘヴィメタルはきつそうだな。どこ連れていくんだ…。
すれ違う家畜の乗ったトラック…。
人にご飯あげるって言って嫌な冗談言ってた運転手さん、困った人だなってぼーっと見てたら急に殺されてびっくりした…。EO行くところに事件あり…。

車が壊れた兄さん、車捨てて徒歩で夜に歩いてEOに会うの運命すぎん?タバコ持ち替えて撫でてくれるし…。一緒に帰るか?とかはお兄さんの希望なんだろうけど、「これは動物保護かそれとも窃盗かな」はさりげないけどこの映画でずっと表現されてきたことかもしれない。
今までロバの肉も食べてきた、どんな味か知りたいか、ってEOに話すのが懺悔みたい。
最後の最後に知った顔(イザベル・ユペール)出てきてびっくりしたしお兄さん聖職者だったのか。(そして停職処分で実家に帰る道中だったとは…。お母さんとの関係もなんかおかしそうだし。)EOにとって一番優しそうなお兄さんが対人関係では一番訳ありっぽいのすごい。
そして逃げようとする時にいつも扉が開くEOは本当に主人公気質。
そのダムどこのダム?かっこいいね

終わり方が農家で曖昧エンドなの、EOの旅がまだまだ続きそう…。相変わらず居心地は悪そうだったけど。

EO役のロバたくさんいたんだ…気付かなかった。
lololo

lololo