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逆転のトライアングルのmakoのレビュー・感想・評価

逆転のトライアングル(2022年製作の映画)
3.9
《狂った時代を、笑い飛ばせ。》
◎79点

監督・脚本: リューベン・オストルンド。『フレンチアルプスで起きたこと』『ザ・スクエア 思いやりの聖域』

現代の超絶セレブを乗せた豪華客船が無人島に漂着。
頂点に君臨したのは、サバイバル能力抜群な船のトイレの清掃婦だった―。

豪華客船の中では、リッチで曲者だらけな乗客がバケーションを満喫し、高額チップのためならどんな望みでも叶える客室乗務員が笑顔をふりまいていた。
そんな豪華客船がある夜、難破。海賊にも襲われ、彼らは無人島に流れ着く。

章立てになっており、
Part1は、カール&ヤヤ。
モデル・人気インフルエンサーのヤヤと、男性モデルのカールのカップルの話。

Part2は、客船内。
頂点に富裕層がいて、その下に愛想を振りまき高額チップの為に望みを叶える白人の客室乗務員たち。船の下層階には料理や掃除を担当する有色人種の裏方スタッフが働いていた。
船が沈むまでが描かれている。

Part3は、島。
無人島に流れ着いた人々。
豪華客船の時と島では、ヒエラルキーは逆転。タイトル通り、逆転のトライアングル!
清掃婦のアビゲイルが頂点に。

客船での出来事があったからこそ、無人島での逆転劇が最高に効いている。
無人島では金持ちより、いかに生き残れる術を持っているかが重要。
サバイバル能力がある人が頂点に立つのは当然かと思う。
できないなりにも、アビゲイルを手伝ったりするなら話は別だが、火を起こすのも、獲物(タコ)を獲るのも、さばくのも、全部アビゲイルがしたなら、料理の量も違っても仕方ないと思う。

本作では、ファンション業界の事、ルッキズム、現代社会の階級などを痛烈に皮肉りながらも、私たちの価値観をひっくり返す。
ただし、島のオチは予想がついたのは少し残念。
最後のアビゲイルの気持ちはよく分かるけど⋯。

面白かったです♪
ちなみに本作には、🤮と💩が出てくるので苦手な方は注意してください⚠️
今年の映画は🤮と💩の出てくる率が高いですね笑
流行りですか?🤣


📝ヤヤを演じたチャールビ・ディーンさん、2022年8月29日に32歳の若さで急逝された。本作が遺作だそうです。



字幕翻訳: 稲田嵯裕里
1階席 6人+‪?、2階席 13人くらい
劇場鑑賞 #41
2023 #43
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