skm818

聖地には蜘蛛が巣を張るのskm818のレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
3.8
聖地とされる町で起きた娼婦連続殺人事件とそれを追う女性ジャーナリストの話。といっても誰が犯人かを突き止める話ではない。犯人は最初のほうで観客にははっきり明かされている。これはむしろこのおっさんと彼の行為を正しいとする不気味な価値観の物語なのな。16人も殺しているのに彼は無罪だむしろいいことをしたと言って釈放嘆願する人たちがいるわけですよ。殺されたのが娼婦だっていうだけで。被害者の親も娘が娼婦だったことに複雑な心境を隠せない。でも悲しんでる。加害者の妻はまっすぐな眼差しで娼婦など殺されて当然だと言う。加害者の息子に父親のあとを継げとそそのかす大人たちもいる。そんな空気の中、ジャーナリストは法がきちんと機能するのか危ぶむが、それなりにみんな仕事して、加害者には当然の報い。もしかしたらジャーナリストが立ち合わせろと騒がなければ或いは…とも思うんだけどさ。娼婦だって好きでやってるわけじゃないのにな。あの太ったお姉さん、殺されちゃったけどグッジョブだったと思う。
skm818

skm818