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聖地には蜘蛛が巣を張るのぬのレビュー・感想・評価

聖地には蜘蛛が巣を張る(2022年製作の映画)
4.2
映画館で鑑賞。
初っ端から、めちゃくちゃキツい。
実際に起きた事件、犯人と社会を通じ、ミソジニーがどのように社会に巣を張り、広がり続けていくのか、を描いている。
殺されていく、殺していく、様子がリアルに克明に淡々と描かれ、かなり怖い。
特に終わり方が秀逸でゾッとする…でもそういうことなんだよな。
やはり大人が蒔いた憎悪の種は下の世代の中でも育っていくのだと思った。

女というか"男らしい男以外"にはデフォルトで人権はなく、"男らしい男の所有物である"場合にのみ人権を与えてやる、みたいな考え方、まじで家父長制という有毒なシステムによる歪みでしかない。

現地では撮影許可が降りず、撮影地に選びにも難航、主演のジャーナリストを演じた俳優も、実生活でリベンジポルノの被害を受けたことを原因に国を追われた経歴のある方のようで、大変な中でもこの作品を作り遂げられたことがすごい。
ぬ