ぐち

K.G.F:CHAPTER 1のぐちのネタバレレビュー・内容・結末

K.G.F:CHAPTER 1(2018年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

普通のドラマでも人の顔と名前を覚えられないし人物相関図もごっちゃになる人間が、政敵たくさんいる上に時速500kmで進んでいく物語についていけるわけなかった。
話の進み方が、速い…!!
この進み方で2時間半あるんだから恐れ入るw
あと劇伴も映画開始直後に鳴るやつじゃないんよ。それ開始0分で流れる音楽じゃないんよ、ラスト20分でかかるやつなのよクライマックスなのよ。

そして時系列もちょっと複雑。
ただでさえ勢力図が複数あるのに
①ロッキーの幼少期(ロッキーからすると過去回想)
②ロッキーのメインの時系列(しかもこれも『現在』ではない)
③謎の男(正体がこの時点で不明確)がTV局の女性ジャーナリストにロッキーのことを語る
④謎の女性の声で『インド史上最悪の犯罪者を殺す許可を与えます』の声(ここもこの時点で正体も時系列も意味も謎)
の時系列があり、さらにこれに加えて⑤謎の男が謎の男にロッキーの正体をインタビューしている時系列がミスリード的にカットインしてくる。
いや少なくとも⑤はいる!?!?
各エピソードを効果的に配置するために、または話が単調にならないように時系列をシャッフルさせたりミステリ要素を混ぜたりすることはある。あるけど。この話にそんな要素いるか!?
既にアイスも生クリームもプリンも乗ってるパフェに、さらにガトーショコラぶちこんでるのよ。
美味しい要素は乗せれば乗せるだけ美味しいよね!!!ってこと??それはそう。
けどバランスとかさ、あるじゃん…?

この、要素てんこ盛り感はお祭り気分でまぁ悪く無いんだけど、その時系列をうまく編集できてるかと言われると…あんまり成功してない気がする。
というか1は全体的に編集があんまりよくなかった…まずアクションシーン(特に前半埠頭でのバトルシーン)が早回しすぎ、カット短すぎ、カメラ揺れすぎで、何が起こってるか分かりにくすぎる…
しかもこれがバトルシーンだけじゃなく日常シーンでも多用される。
鉱山の中での暗転ファイトはすっごくドキドキしたけど、せっかく灯りが消えて→点いたら人が減ってるホラー的演出なのに、画がずっとヨリで忙しないから人が減ってる感がよくわからない。
KGF内のシーンとロッキー母との過去シーンをカットバックさせて心情表現をやりたかったのはわかるけど、1の時点では謎が多すぎて一瞬ロッキー母が昔KGFにいたかのような錯覚に陥る。
総じて、情報開示の順番や量と、そもそもの情報量に対して、カットつなぎやシーンの順番が適切で無いように感じた。
ただこれは私の理解力の問題とか、顔の見分け名前の区別がつけばマシだったのかも。
でも2と明らかに編集ペースが変わってて、あ〜日本では1と2同時公開だけど本国では何年か開いてるもんね…と思わせられた。
特に1の前半かな…これは1と2を対比させた時に、ロッキーの若かりし頃はあえて荒っぽく忙しなく構成したのかもしれんが。

とにかく、この編集と構成が合わなくてストレスフルな第一章だった…1と2を続けて見たんだけど、1だけで終わってたら次は見なかったかもしれないと思ったくらいだった。

ただもちろん見どころもたくさんあるしアガるシーンもいっぱいある。
1ではロッキー兄貴の歌が一番好き。
ぐち

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