ぐち

aftersun/アフターサンのぐちのレビュー・感想・評価

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
1.0
驚くほど『無』

近年稀に見る虚無映画でした。
これは私が父親との関係性が『無』(良くも悪くもないし不在という穴があるわけでもない)だからなのか私の感性が死んでんのか。

でも観客の共感力に寄りかかるスタイルなのも作品として怠慢では…
「『あの夏の日差し』…『父と娘の思い出』…『思春期』…みんなどこかに覚えがあるよね…」とか言われても「いや知らん」としか…
世の中には共感できなくても面白い作品というのもいっぱいあるよ。

自分が30歳になるなんて想像できなかったとか、子供の頃は大人が「大人」という生き物に見えてたとか、時が経てばみんな必ず「大人」になると思ってた、辺りのメッセージは受け取れたかな?
画角が狭くてほとんど引きの広い画が無いのは、多分作品自体がホームビデオ的なパーソナルな雰囲気を目指してて、それと同時に幼いソフィの見えてる範囲なんだろうなとは思うんだけど、どうにも閉塞感があってキツかった。

2時間ずっと虚無でどうしようかと思った(追記:今確認したら2時間もなかった。たった100分て…まじか)

親でも息子でもなくても『カモンカモン』は割と刺さったので、共感できないから面白く感じなかったわけでも無いと思うんだけどなぁ。
もしかしたら、父と娘っていうなまじ自分に近い題材だからこそ『共感できなさ』が余計に目について心が離れちゃったのかも。
ぐち

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