しちれゆ

アウシュヴィッツのチャンピオンのしちれゆのレビュー・感想・評価

3.7
ここ数年でアウシュヴィッツものも出尽くした感があり、最近は″アウシュヴィッツの○○″という特化系がちらほら。今回もそれ系で、期待せずに行ったのだが思いのほか面白かった。
主人公テディは元ボクサーでワルシャワ最強と言われた男。彼はナチスたちの娯楽としてリングに立ち、勝つことによって重労働を免除され仲間たちにパンを与え、親しくなった病気の少年に薬を与える(そこまで優遇される?という疑問はあり)。
収容所にはハンブルク王者やドイツ王者もいて、テディは生き延びるため、仲間を助けるために彼らと戦い続ける。けれど高官たちが「あまり勝たれるのもまずい」と言い始め…。
少年の美しい看護士に対する仄かな想い、手作りの小さな天使像などの逸話も絡めて飽きさせず進行していく物語。テディは実在の人物らしいが脚色もかなりありそう。アウシュヴィッツの話ではあるが娯楽作として見てもいいのでは、と思う。作中ハーケンクロイツが中に入ったスノードームが出てきて驚いた。当時 こんなのがあったのだろうか?(現存していたらすごい高値でしょう。)
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