ひろるーく

#マンホールのひろるーくのレビュー・感想・評価

#マンホール(2023年製作の映画)
3.9
川村(中島裕翔)が結婚式の前夜、友人たちよりサプライズパーティーを受ける。
パーティーは賑わいと祝福の中で終わり、友人の加瀬(永山絢斗)と会話を交わし、一人帰路に。
その帰路で、川村は(酔いが回り)大きな穴に落ち、気を失う。

目が覚めると暗い穴の中、マンホールの下に落ちた状態。
右腿に深い傷。はしごがあるのでそれを使い脱出を図るが、はしごは錆び付き、虚しく壊れ崩れる。

つまり、暗い穴の底で外に脱出できない状況。
なぜ落ちたのか、ここはどこなのか。自問自答しながら、唯一の外界との接触を図る道具として、スマホで電話、SNSを駆使しながら救出を求める。

果たして事故なのか事件なのか。
頭の中でさまざまな葛藤が渦巻く中、川村は果たしてここから脱出できるのか?

そんな話である。

ほぼワンシチュエーションホラー。いやサスペンスか。
映画の冒頭で、この映画は絶対にネタをバラさないでくださいとの注意字幕が出ます。
もちろんここで話すつもりはありませんが、「何が起こったのか」が本作品の肝になります。後半1/4くらいで、この「何が」が描かれます。

密室ホラー、いや密室サスペンスはこれまで数々の作品がありますが、本作品は「マンホール」というところが新しい。暗いだけでなくものすごく汚い。虫が這い回り、ネズミの死骸が転がっている。臭そうだ。

不自然に不条理にその環境に自分が陥れられる。
「何が起こったのか」「なぜ自分なのか」を問いながら、自身の過去と向き合う。
日常の中でも、例えば友人に急にキレられたとします。
「え?なんで?」ということはあるんだと思います。
その時に強制的に自身の過去と向き合わなければなりません。

「自分の胸に聞いてみな」

というやつですね。でも自分じゃわからないし、何が悪くて起こってるのか教えて欲しい、なんてことはよくあるんだと思います。
まあ、そんな感じです笑

昭和のイケメン容貌の中島裕翔がいいですね。
絶対に悪いこと何でしなさそうな感じ。過去に問題なんかあるはずない容貌は本作品にぴったりです。
元カノ役の奈緒もいいですね。九州弁かな? 過去というキーワードで上手く作品に立体感を与えます。

あっという間の2時間弱。面白い作品です。

4点を超えなかったのは、「何が」の部分の単純な評価です。
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