ひろるーく

少女は卒業しないのひろるーくのレビュー・感想・評価

少女は卒業しない(2023年製作の映画)
4.1
青春ですね。いろいろな青春が詰まっています。僕はもうかなり昔のことになってしまいましたが、この頃の心象はいまもずっと残っているような気がします。

朝井リョウの原作。僕は読んでいないので、映画の中だけの感想です。

卒業まであと1日。いきなりカウントダウンから映画が始まります。
卒業式の最後の練習。
そうそう、卒業式前って受験やら何やらで休んでる奴いたよな。

軽音は追い出しライブ(いや、この映画では追い出されライブか)。
東京の大学に行く彼女と地元の大学に行く彼の別れ(これは僕も経験しました笑)。友達いない子の先生とのふれあい。。。。

もう全部、知っている風景です。全部見たことある。でも、なつかしいというかとにかく切ない。「進路」という言葉が皆を隔てる。ほんと切ない。

そしてその中で、ただ一人、心底辛い思いをしている女の子がいる。
まなみ(河合優実)である。

これ以上は書かないが、みんながゆっくりと時間とともに動き出す中、まなみは、一人だけ止まったままだ。動かない。動けない。動きたくない。

とにかく僕は河合優実が好きなので、特別に感情が揺さぶられるのかもしれないが、この切なさはなんだろう。どうしたらいいのだろう。いつになったら、この切なさが終わるのだろう、と考えた。辛いね。

軽音の寺田くん。何があったか知らないが、デスボでデスメタルバンドをやっている寺田くん。といっても、演奏も歌もすべて既成で、歌いもせず楽器も音も出さず、当ててるだけなのだが笑

そんな彼が歌う「ダニーボーイ」。感動です。プレスリーよりずっといい。いやちょっといい。


いろんな立場はあろうけれど、誰もが経験する青春の時。やっぱりいいですね。ドラマです。ゆっくりとていねいにきめ細かく映像化した中川俊監督もすばらしいです。

感動しました。いい映画です。
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