たか

ヴィレッジのたかのネタバレレビュー・内容・結末

ヴィレッジ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ヤクザと家族を友人に勧められ、
作品が気に入ったため、今回の作品を鑑賞。

自身は村にて生活をしたことはないが、
よく映画やドラマで描かれる、村特有の風習/風土が嫌らしく表現されている。
フィクションではあるが実際に村八分や親兄弟の評判が自身の評価につながってしまう、端的に言うと小学校や中学校の様な社会が本当にあったりするのだろう。

そこから抜け出したいが、
毒親、罪、同情に似た愛情が混ざり合い抜け出せない。
そして能の演目も重なり、横浜流星演じる主人公が面を被り夢を見て行く。

個人的には村がついてきた嘘、人々のついた嘘を、途中順調に進んでいるように見えた夢として描いていたのかなと思う。

しかしその夢も外世界から来た人から暴かれ、
夢が嘘であったこと、忘れようとした現実が襲ってくる。
夢に居続けようともがいて行くが止まらない。

最後の引き金は村長の言葉。
「正直言うと、お前の親父については覚えていない。」
ここで主人公が一気に現実に戻って行く…
様に見えるが、結局村自体が夢で固められた場所であり、彼も夢からは出られずあの表情。
なんとも皮肉めいた表現である。

最後はひたすらに夢を見ず生きてきた、
彼が旅立ちエンド。

村の看板を一つの夢の国への入り口の様に表現していたことが、非常に印象深く、良かった。

ただ絶妙に前半から中盤への進みのもたつき感があり、今回の評価に至った。

あまり役者個人の評価を過去のレビューでは書いてこなかったが、黒木華はやはり怪物級の演技力で圧倒された。
たか

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