肉鹿

カラオケ行こ!の肉鹿のレビュー・感想・評価

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)
3.8
全国への夢が終わった合唱部部長の中3男子。失意のなか現れたのは足長ヤクザ。低音関西弁で告げたのは「歌がうまなるコツ教えてくれへん?」

こんなん卑怯やん!綾野剛さんの関西弁えろすぎるし、さんざん振り回したくせに「家着いたらラインして。夜道1人で危ないやろ、心配やん」とか言ってくるのずるいて!その距離感のバグり方底なし沼やん。オーディションを勝ち抜いた中学生役の齋藤潤くんも顔がよくて、特に後頭部の形がジブリ!ジブリに出てくる主人公みたいな頭してるから見惚れたし、それに見てるうちにこの2人の顔がだんだん似てるように見えてくるからたまんないんだー。そのせいで原作みたいなBL風味はかなり薄まったけどまるで歳の離れた兄弟のじゃれあいを見つめる尊さに変わり特に怖くて綾野腕にしがみついてたのが尊さぐふぐふ。なにより映画やドラマではその瞬間にしか存在しえない少女性ばかりが求められがちだったけど、同じぐらい少年性の魅力を声変わりという変化でまざまざ見せつけられ巻き戻しのできないビデオテープなんて小道具まで添えちゃう心憎い脚本家は野木亜紀子さん!合唱部と映画を観る部という二段階の仕掛けががっちりハマってる爽快なエモさにヤクザたちも昔ながらの愛くるしい姿でファンタジーみ染み渡らせておいてからの再開発で変わりゆく街と重ねてゆくのもエモいよ~。薄いエモミルフィーユを何枚も積み重ねて分厚いエモミルフィーユ鍋生み出すのほんと職人技!エンドクレジット終わりも心憎い!明るくなるまで席は立ったらあかんよ、リトグリに親を殺されたぐらいの恨みあっても最後まで聴こうや。通路降りてったおにいさん!

なにより観終わったらカラオケに行きたくなる映画。わたしも行った。ついでに同じ劇場で観てた人たちも8割行った(予想)履歴が『紅』ばかりだったらそいつは同じ衝動を抱えた同士!
正直特典がステッカーじゃなくて割引券やチャーハン無料券だったらどれほど嬉しかったことでしょうか🤤
肉鹿

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