肉鹿

輪廻の肉鹿のレビュー・感想・評価

輪廻(2005年製作の映画)
4.2
35年前に起きた無差別殺人事件を題材に映画を作る監督の前に現れたのは新人女優。絶対に彼女を起用しなければいけない衝動に突き動かされるまま、クランクインを迎えてしまう———清水崇監督作品。

おもしろい!おもしろい!おもしろい!惚れ惚れしちゃうほど傑作👏🏻

清水崇監督はおもしろホラーの人て印象が強かったけど、こんなホラー強めの作品もあるなんて!ほんとしっかり怖い!ホラーでしっかり怖いは大切で貴重!

それでも「呪怨」に代表されるようにしっかりおばけを映しちゃう自身の強みは忘れず、アクロバティックに迫ってくる人形なんていうおとぼけもあるけど、前世・現在・劇中劇とトリプルに絡み合う入れ子構造が「輪廻」のタイトルともぴったりで見入っちゃう脚本がお見事!

見ていくうちにまるで魂の記憶や罪がいつのまにか自分のなかにも刻まれていって、あまりにも不条理に時空を超えてくる展開にも違和感なくなってきてたから輪廻の輪に締め付けられるように恐怖も倍増。

主人公の優香さんもギリギリコントに見えない演技力で踏ん張ってたし、悲鳴のうまさが抜群!耳がキーンと痛くなる。
そもそも身体の線の細さがホラー映画にぴったりで、ラストもその細さを活かして病的なまでに細くなってた!

そう!ラストが素敵で、雰囲気ある声のこもった語り口のおばあちゃんとの邂逅が夢か現実かわからなくなる不気味さはいつまでも頭に残り続け、不規則に弾む赤いスーパーボールと離れ目離れ眼球の人形は夢の中まで追ってきそう…輪廻の怨念恐ろしい。

「リング」を超えて日本のホラーで1番好きかも!DVD買います!!!!
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