山田にーち

感染列島の山田にーちのレビュー・感想・評価

感染列島(2008年製作の映画)
1.4
このご時世に観よう観ようと思いつつ、なかなか観る機会がなかったのですが今回やっと観ることができました。

正直、ひたすら胸糞わるい展開が連続していくばかりで、これだけ「早く終わらないかな…」と残り時間が気になる作品を観たのもひさしぶりです。

序盤から登場人物がわんさかと出てきて、パッパパッパとシーンが移り変わりますが、描写ではなくひたすらセリフで状況説明をしてくるので、頭が追いつきにくくしんどい。

連ドラをひたすら駆け足で観ているような展開で進んでいくので、感情移入もあったもんじゃなかったです。
そんななかでバタバタ人も死んでいくんですが、感情移入できてないから「あ、死ぬんだ…」ぐらいにしか感じられません。

この感情移入できないっていうのがこの作品の辛いところで、怒涛のように押し寄せてくる胸糞エピソードに「うるせぇ…」「めんどくせぇ…」といったイライラした感情しか沸かず、観続けるのが本当に苦痛でした。

なんでただのいち医療従事者が不審者を山の中までひとりで執拗に追いかけるの…?とか、なんでこれだけ都市が荒廃するぐらい恐ろしいウイルスでやばいのに建物入るときしかマスク付けようとしないの…?とかこの作品で気になるところをあげてたらキリがないので深く考えず、ぼーっと観るのが一番です。

中盤からは展開が少しだけゆるやかになってくれるので観やすくなりますが、基本連ドラの圧縮みたいな内容と流れは最後まで変わりませんでした。

作品を通してよかったなと思ったところは、「実際の医療現場でも医療従事者の方は、こういう胸糞悪い出来事をたくさん経験されたんだろうなー…」と思えたこと、また登場人物のひとりが出した「ウイルスとともに生きていく」という考え方。

ただ、このウイルスとともに生きていくという素晴らしいテーマも特に掘り下げるわけでもなく、ひき続き連ドラ展開で消えていくだけなのが惜しかったです。
ウイルスとともに生きるなら、その先がどういう世の中になったのか、それを見てみたかった。

とりあえず、観終わったあとの感想は「やっと終わった…」と「ドラマでやればよかったのに…」でした。

お疲れさま!