KUJIRA

イコライザー THE FINALのKUJIRAのネタバレレビュー・内容・結末

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

IMAX鑑賞

マフィアの視点から、マッコールさんの恐ろしさを最大限に描いた序盤のホラーテイスト。スタートからスクリーンに放り込まれた様な臨場感と緊迫感。この感じ久し振り。

ミッションインポッシブルの3で、冒頭からショッキングなシーンぶっ込んで来た時の衝撃に近い。
3作目ともなると、油断するなよと観客にお灸を据える様な荒技も必要なのかもしれない。

マフィアが哀れな一般市民、マッコールさんがイカれた殺人者、にしか見えないナイスな演出。

これが一作目みたいな丁寧な描写。

「9秒で決めろ」、最早ニヤニヤ案件。
ここのアクションはキレキレだった。
シリーズ最大の不満点であるカット細切れが、今作では一切無い。
監督同じなんだが、急に大幅改善して来た。


完璧な仕事振りだったのに、子供に油断して背中を撃たれるプロなのかプロじゃないのか分からないマッコールさん。

明らかに怪しい他所者を何故か匿う医者。
その前に、撃たれて死にそうになってるのに、警察にも救急にも連絡しない警察官。
すげーつごーがいー。

ここからアクション無い時間が異常に長い。
溜めて溜めて溜めて、からの大暴れ。
時代劇か西部劇か。

溜めてる所が一歩間違うとダラダラに感じる。
ここを埋めるピースがダコタ ファニング。
クロエが再登場と言うガセが流れていたが、他の情報はゼロの状態で観たのでテンション上がった。
何やらせても上手い。

あなた一体何者?と言う視点を持ち込む事で、マッコールさんの凄さを強調出来る。
ただ始末するだけのマッコールさんでは尺が保たないが、捜査機関の人間を巻き込む事で、敵の正体を解説する。

結局、全員始末するのに、何で情報与えて捜査させるのか。
そこの疑念は最後に晴れる。
スーザンの娘さんね。
じゃあ、手柄をあげたと言う事になろうか。
でも新たな疑念。大親友だったのに、お互い会った事が無いのだろうか。

車が爆破されるシーンは完全に油断していたからビクってなった。
最後まで、ダコタの相棒がラスボスじゃないかと勘繰っていた。

マッコールさんと市民との交流は、丁寧に描いている様で描けていない感。
特別な瞬間では無く、いつの間にか溶け込んでいた、と言う意図的な演出だろう。
多分、火事の片付けあたりがキッカケだろう。
受け入れてくれた描写はあるのだが、唐突感がある。

市民全員がマッコールさんを密告しない。ちょっと現実的では無い。
実際、暴力に服従していた人達。
自分の身の安全の為にチクる奴がいても変じゃない。

マフィアとは言え、あんなに白昼堂々と人に暴力を振るい、殺せるのだろうか。
何でも有り、無法にも程がある。

と思いきや、マッコールさんの為に市民達が立ち上がる。武装蜂起なら理解出来た。
皆んなでムービーを撮る。
「カメラで撮られてますぜ」
「や、やめろ!覚えてろよ!!」
何この展開。

今までも撮り放題の状況だったのに急に撮影を始めるのも変だし、今まで撮られ放題だった筈なのに急に慌てるのも変。

敵の小物感が残念だった。
前作で、マッコールさんと対等の敵を出そうとして失敗したからと言って、余りにも雑魚過ぎる。

敵のやられっぷりは、悪役商会並みに見事だった。
KUJIRA

KUJIRA