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雑魚どもよ、大志を抱け!のpokotanのレビュー・感想・評価

雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)
3.7
意外や意外、熱くなる映画だった。

冒頭のタイトルバック時の線路沿いを歩くシーンは日本版「スタンド・バイ・ミー」のような雰囲気だった。
今まで見たことない子役で、是枝裕和監督のような自然体な子どもたち。

目の下のホクロが可愛い瞬。
人殺しの父親を持ち家庭環境が複雑なケンカが強い隆造。
アトピーでかきむしるひ弱なトカゲ。
ヤンキー姉を持つインテリメガネの正太郎。

最初は、トカゲの家に土足で家に入って、冷蔵庫漁る。
駄菓子屋のクソババアの猫を投げ捨てる。
オオサンショウウオを捕まえて陸に投げる。
など、悪ふざけ好きなワルガキだなと思って見てた。
何かバカやって、一緒に笑いあってThe青春。

そして瞬の成長物語と化す。
いつも傍観者だった。
友達がイジメられてても、友達がカツアゲされてても、嫉妬しながらも友達が新しい別の友達を作って親しくなっていく時も、友達が家庭で揉めてても、いつもただ見ているだけだった。
勇気がなかった。

瞬と隆造の2人の気持ちの吐露は何か泣けた。
いやー、隆造の気持ちが分かって泣いた。
お互い憧れてて、お互い認めあって、真の友達になっていく姿は素敵だった。
そして、最後の地獄トンネルや隆造との別れは胸熱。

ただ気になったのは、最後の決戦で明と小林が寝返って仲間になるのは良いけど、隆造の別れ際まで泣きながら惜しむのは何か違和感あった。
明なんか敵視してたのに、そんな見送りに来る?
あのいつもの4人だろ。

また、1カット長回しを多用したカメラワークで映画的ではあるものの、手ブレや若干のホームビデオのようなカメラワークだったり、やや気になる演技だったり、技術面で気になる部分はあった。
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