filmarksにデータページがなかったので、リクエストしちゃった。

15年くらい前に一度観ていて、そのときはすごく塚本晋也の『六月の蛇』に似ているのにビックリして、ネタ元かなあと思いつつ、それっきり監督名もタイトルも忘れてしまっていた。
最近U-NEXTで粗筋を読んで（ああ、これだった！）と発見。久々に観た感じは、記憶よりSMチックだけどやはり寂しい男女の出会いで、男が女をモンスターにしすぎてしまう話だった。
下元さんは色白の痩せ型なので、病気の役だと後がない感じがする。『団鬼六 少女木馬責め』とか。

同時進行しているレイプ魔の話も気味悪い。ニュータウンの団地周辺に残された、未開発の背の高い草ぼうぼうの場所って恐ろしい。

インポに悩まされている性倒錯者の男（下元史朗）が、横恋慕の相手となる団地妻（和地真智子）に対して、調教凌辱プレイを与えていく。夫が関知しないところでホニャララの系譜を汲んでいる、日活ロマンポルノ。日本トップアート製作。

下元史朗のアニキが、1982年度「セーラー服色情飼育」（渡辺護監督）を彷彿とさせるストーカー演技を披露。喘息持ちという設定なので、咳き込む声でストーキングがバレてしまう。インポテンツの悲哀を感じさせる雰囲気作りが秀逸。

何よりも、指示する側の男が、デスマス調で謙りながら懇願するタイプなので、感情移入を捗らせることができる。痴女スタイルでジョギング、ベランダで放尿、アナルに異物挿入など、無線機を使用した非接触型のトンデモ指示プレイに胸がすく思いがする。

野外凌辱の指示内容に、ロマンXシリーズのレベルを求めるのは、無粋だろうか。ヒロイン役の女優が、感情の起伏を表現することができず、終始棒読みになっているのはご愛嬌。主従逆転に入ったタイミングでピタッと終わらせる、清々しさがエクセレント。

帰ったら下元さんの映画観るぞということを楽しみに乗り切った今日いちにち。病弱ハロワ通いの変態ストーカー下元さんが変態でハマりすぎててすごく好き。私も下元さんに奥さん奥さんってつけ回されたい。下元さん以外の登場人物がもれなく演技が下手すぎるのが残念なんだけど下元さんの孤独がせつなくてせつなくてたまらん。ずっと下元さんの孤独にそっと寄り添っていくストーリー。団地妻ロマンポルノの王道を踏襲しつつ、わりとちゃんとした愛の映画だった。不気味を志向してるとおぼしきレイプ魔のいでたちがねずみ男すぎてなんとも笑えてしまった。