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オスカー・ピーターソン/オスカー・ピーターソン:ジャズ界の革命児のalmosteverydayのレビュー・感想・評価

3.5
予告編の時点で最高に楽しげで、なおかつ自身の作曲による公民権運動との関わりを現代のBLMへと連ねる社会的側面も見ておきたく、公開を心待ちにしておりました。平日の午後にしてはなかなかの客入り、全64席のチネ2番シアターが半分くらいは埋まってた感あります。

それにしてもああ、冒頭の1曲からもうね掴みはOKと言わんばかりの超絶技巧。どきどきしちゃう!トリビュートを捧げるミュージシャンもコメントを寄せる関係者もどちらかと言えば言葉少なっていうか「だって、彼の代わりはいないから」とでも言いたげでしたよね。「ボクシングならモハメド・アリ、バスケットボールならマイケル・ジョーダン。ジャズのそれがオスカー・ピーターソンだ」というコメントが端的にして圧倒的。

この手の伝記映画だと、晩年にその輝かしい功績を振り返るターンに入るあたりから徐々に音楽もテンポを落としつつしっとりしてくのが定石だと思ってたんですけど、本作の場合はちゃめちゃに溌剌としてるI Got Rythmで表彰やエリザベス女王をテンポよく映し出していくものですから「あれ?ひょっとしてまだ生きてたりするんでしたっけ…?」と記憶が錯綜してくるあたりが最高でした。とんでもねえな!ふふふ。
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