almosteveryday

フランシス・ハのalmosteverydayのレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
4.0
年齢だけならとっくに立派な大人なのにあちこち抜けてて危なっかしくて金はないけどなんだかんだで毎日楽しい、という状況は明らかに身に覚えがあって、これがよくありがちな感じに凹んだりふてくされたり激昂したりする主人公を通して描かれたらきっと顔から火が出そうってかまともに観てらんなかったと思うんですけど、ただただひたすらうろたえるだけで曖昧な笑みを浮かべてやり過ごそうとするあたりがめちゃくちゃリアルってかわかるってか思い起こせば我々そんなに感情を爆発させたりしないもんでしたよねえってやけに腑に落ちた気がしたんでした。一番の親友とのサシでの会話においてさえ、酒なり何なりきっかけなしには切り出せないことってあるよね。恋に恋するなんてとっくの昔に履修済みのはずだけど、唯一無二の関係性を手に入れたがるロマンはどうにも手放せないのよね。下ネタ厭わず尻も出すけど手近な男と安易に寝ないし、ダンサーとしてくすぶってても太るのだけはダメ絶対と己を律するあたりがなんともチャーミング。ラストの伏線回収もお見事かつさわやかで、忘れられない作品のひとつになりそうです。
almosteveryday

almosteveryday