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ドリー・ベルを覚えているかい?のalmosteverydayのレビュー・感想・評価

3.5
クストリッツァ幻のデビュー作が日本初公開とのことで心待ちにしておりました。あっちもこっちもとっ散らかってて喧嘩っ早くて謎の大らかさがある、動物たちと音楽に囲まれた世界は既にこの頃から確立されていたのですね…!

40年以上前の作品とあって母親や若い女を物のように扱う描写に時代を感じたりもしましたが、一方でバリバリの家父長制には珍しく長男を差し置いて次男である主人公に心を寄せる父親の様子が描かれるなど「クストリッツァ自身を投影しつつ『こうあって欲しかった家族のあり方』を表現してるのかな」等と思いを巡らせながら観ておりました。物語冒頭でいかにもメインテーマっぽくブチ上げたバンド発足まわりのあれこれが申し訳程度の帳尻合わせにしか機能しなかったのはご愛嬌。自転車突撃からのダンスと雷雨ほか、家族の一大事に際し伯父さんが持参した自転車を横目にしたり顔の三男がちゃっかり抜け目なくていい味出してました。
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