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枯れ葉のalmosteverydayのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
3.5
カウリスマキに関しては「レニングラード・カウボーイズを撮った監督」というきわめて曖昧な知識しかないのに、予告編が実に味わい深かったため俄然興味がわいてきました。序盤も序盤、だいぶ唐突にデカめの音でご機嫌なロックンロールが放たれ思わずニヤリとしてしまったし、その後もわりと突拍子もなく、それでいて「いや待て実際ここしかなくね?」という気にもなってくる絶妙なタイミングでとっ散らかったジャンルの曲が次々繰り出されて楽しかったです。「…ここは笑っていいんだよな…?」とギリ確信できるかどうかのおかしみと間合いにある種のスリリングさをも感じたのは、ちょいちょい挟み込まれるウクライナ情勢に冷水を浴びせられるような思いがしたからかもしれません。間延びする冗長さとは異なる、緊張感を伴ったきわめて今日的な危機感が散りばめられていると感じました。

年明けからこっち、どうにも辛い話題ばかりでフィクションを楽しむ気持ちになりきれぬままでいたのですけども、新年最初の1本がこれでよかった。何となく元気が出てきました。
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