aiai

パリタクシーのaiaiのレビュー・感想・評価

パリタクシー(2022年製作の映画)
3.5
パリオリンピック前哨戦のわりには。。。
~映画をみるならフランス映画さvol3~
パリの街並みを映像で流し、タクシー運転手も愛想良くないが、実は中身は良い人が多いのですよという、来年のパリオリンピックに向けた海外へのイメージアップ戦略(プロパガンダ風味)も漂うこの映画。

かつて、ミスター・ビーンでおなじみのイギリスの国民的コメディアン「ローワン・アトキンソン」がロンドンオリンピックの開会式に出たことがあるように、もしかしたら、本主演のダニー・ブーンも出るかもしれない(タクシー運転手として)

というのも、彼もフランスの国民的コメディアン。

以前レビューした「ようこそ、シュティの国へ」(日本未公開)では、監督兼準主演で、フランス映画では観客動員数歴代1位。

そんな有名なコメディアンが、本作ではその持ち味が活かしきれてない。

もちろん作品の趣旨からして単純なコメディでは無いものの、だったらなぜにダニー・ブーン?
これこそ役不足で、ダニ・ブーンじゃなくてもよかったのでは?

とすると、やはりパリオリンピックに向けた海外向けの宣伝の一環?
(歴代1位の「ようこそ、シュティの国へ」は日本未公開だったのに)

この映画、結末含め、内容は先読みしやすい。
つまり既視感のあるシークエンス。

映画の前宣伝では、パリの街並み映像がすごいと取り沙汰されているが、実際に映画みると、観光二階建てバスレベル。
あまり期待すると肩透かしをくらう。

ダニー・ブーンの相手役のおばあさんも年齢的な味はあるものの、さほど演技がどうこういうレベルでもないかなと。

主役の運転手がそこまで客に感情を入れ込むまでのサブシークエンスが足りてない(要は結末への説得力が無い)

***

公開中なので、これから劇場で見ようか見まいかと思案する人向けのガイダンスとしたく、辛口なレビューになってしまいました。

今は劇場バイアスがかかって評点も高いけど、DVD化とかサブスクに乗っかれば、3.5ぐらいに落ち着くと思われます。

ちなみに「劇場バイアス」というのは自分の造語です。
劇場鑑賞映画は邪魔も入らず、集中力が高まるし、チケット代金分楽しもうとする意志が評価を底上げする傾向にあるので(笑)比較的評点が甘く高くなりがち。

今や、一本の映画が一般2,000円という価格。

この金額より安いサブスク見放題に取り囲まれている状況で、いろいろ諸事情あるのだろうけど、日本映画界の第二の斜陽を予感させる値段です。

ちなみにフランスの映画チケット代金はもっと安く、かつ、映画館の見放題チケットもあると聞く。

さらにその安いチケット代金からは税金が取られていて、その集めた金をプールし、国内映画制作の補助金など、映像文化全般の運営に活かす仕組みになっている。

ようは国全体で映画を支えている国がフランスなのだ。
(そういう意味で、あながち本作がパリオリンピックの宣伝映画として、とらえられなくもない)

なんか話が脱線してきましたので、この辺でお開きとさせていただきます(^_^;)

結論として、本作「パリタクシー」DVDもしくはサブスクで良いかと。
aiai

aiai